肝部下大静脈閉塞症(Budd-Chiari症候群)に対する下大静脈-右心房(IVC-RA)バイパス手術の長期遠隔成績
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概要
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1981年1月以来,肝部下大静脈閉塞症(Budd-Chiari症候群)のうち,肝静脈あるいは副肝静脈の太いもの1本以上が下大静脈に開口している症例5例(男子2例,女子3例.術時33〜61歳・平均45歳)に対して14〜16mm直径,24〜27cm長のリング付きEPTFEグラフトを用いた肝前方経路による下大静脈-右心房バイパス(IVC-RAバイパス)を造設し,術後経過を今日まで追跡してきた(遠隔期51〜73歳・平均62歳).3例が術後20年を経て抗凝固療法無しでグラフトの開存を示し,2例が遠隔期に食道静脈瘤の破裂で死亡した.肝部下大静脈閉塞症に対するリング付きEPTFEグラフトを用いたIVC-RAバイパスは術後遠隔期に抗凝固療法なしで良好に開存していたが,肝硬変・食道静脈瘤の病変進行を阻止遅延させる効果は十分でなかった.リング付きEPTFEによるIVC-RAバイパスは肝部下大静脈,肝静脈に対する直達再建がかなわぬ場合の選択肢の一つと成り得る.
- 2008-11-15
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