中国における住民参加の現状と機能
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概要
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現在中国において,住民参加は「民主」実現の要として注目されているが,関連の規定は画一的で実効性に乏しく,また運用の停滞とそれを取り巻く構造的障害は,いうところの「民主」の虚偽性を顕にするとともに,統治構造全体を貫く「透明性」と「第三者性」の欠落を浮き彫りにしている。このような中,2007年に広州市で施行された「規則制定住民参加方法」では,従来の参加規程の問題の解決が強く意識されており,行政側の意識の変化と住民参加理論の実現が見て取れる。政府・企業と住民との衝突の頻発という現状にあって,住民参加が持つ利益調整・合意形成・民主的正当化及び統治安定化といった機能の重要性は一層高まっているのであり,「法治」と「民主」の試金石として,住民参加の実質化が問われている。
- 2008-11-25
著者
関連論文
- 坂口一成著, 北海道大学出版会, 『現代中国刑事裁判論-裁判をめぐる政治と法』, 2009年9月刊, 410ページ, 税込7,875円
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- 物権法草案違憲論争の諸相(中国物権法の争点と課題)