時間を忘れる : 表象と労働
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概要
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ジャック・デリダの言語論は言語以外のさまざまな文化現象を射程に入れている。「時間」はそのうちの一つである。本稿では彼の言語論における「差延」の理論を軸に「時間」の本質を読み解こうとするものである。議論は以下の手順でなされる。「1 はじめに」と第2節においては「差延」の理論における表象化の側面を検討する。第3節と第4節の前半では、表象化と時間との関係が考察される。第4節の後半から第5、第6節は「差延」理論をバタイユの「一般経済学」の助けを借りて読み解くことを試みる。このような議論の構成により、「差延」という表象化の運動が時間化の運動であり、同時に、それが労働を生起させる運動であることを議論する。そして、「7 おわりに」においては上記の内容についての若干のまとめがなされている。