オーケストラにおける民主制(2)
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概要
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現代の組織行動論によれば、専制的なトップダウンの組織では経営効率を最大限に発揮することは出来ないとされる。オーケストラにおいては、被雇用者(楽員)の運営参画は営利組織に比べ格段に多い。楽員の運営参画についての研究は多数存在するが、多くは運営参画の利点のみを強調している感があり、客観性を欠いているように思われる。未だ研究が十分でない非営利芸術団体における組織行動を解明することを目的とし、本研究では日英米のオーケストラを対象に調査・分析を行った。調査の結果、自主運営オーケストラ、労働契約関係があるオーケストラなど組織の種類によって、また国によって楽員の運営参画のレベルは異なることが確認されると同時に、楽員の運営参画に関しては功罪両面があり、オーケストラという団体に特徴的な組織行動があることも見出された。