Tumor necrosis factor阻害療法は関節リウマチ患者の末梢T細胞分化異常(terminal differentiated effector memory T細胞の増大)を是正する
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概要
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関節リウマチ(Rheumatoid arthritis, RA)発症においてTumor Necrosis Factor (TNF)など炎症性サイトカインは重要な役割を果たしている.また, T細胞も重要な役割を果たしているが,その異常は不明な点がある.近年導入されたTNF阻害療法はRAの炎症,関節破壊を劇的に抑制し,一部の症例には治癒状態を誘導する.しかし, TNF阻害療法のT細胞異常に与える効果は不明である.本研究は末梢T細胞分化に着目し, RA患者にT細胞分化異常が存在するか, TNF阻害療法がそれを是正するか明らかにすることを目標とする.そのためにTNF阻害療法および疾患修飾性抗リウマチ剤(Disease modifying anti-rheumatic drugs, DMARDs)投与患者の末梢T細胞分化表面マーカーを経時的に解析した. RA患者においてはT細胞分化異常があり, terminally differentiated effector memory T細胞(CD4陽性CD28^<null> T細胞およびCD8陽性CD45RA memory effector細胞)が増大していた. T細胞分化異常は, TNF阻害療法により,疾患活動性のコントロールともに是正されるが, DMARDsでは是正されなかった.したがって, TNF阻害療法にはT細胞への作用という新たな効果が存在することおよびその作用がRA治癒誘導において働く可能性が示唆された.
- 獨協医科大学の論文
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