血漿中α-defensins 1-3濃度は妊娠末期陣痛発来後及び正常妊娠産褥期における好中球活性化の指標となる
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概要
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近年,正常妊娠における弱い好中球活性化が報告された.我々は好中球内の抗菌ペプチドα-defensins 1-3に着目し,妊娠・産褥期における血漿中濃度が好中球活性化の指標となるかどうか検討した.非妊娠健常者21名,正常妊婦184名,正常褥婦55名の血漿中α-defensins 1-3濃度をELISA法にて測定し,好中球活性化マーカーCD11b及び好中球寿命に関与するToll-like receptor-4 (TLR-4)の発現強度をフローサイトメトリー法にて測定した.血漿中α-defensins 1-3濃度は満期陣痛発来群において他の全ての群より有意に高値であり,分娩後低下したが産褥1ヶ月においても非妊娠群より有意に高値であった. CD11b並びにTLR-4の発現強度は陣痛発来群において非妊娠群より有意に高値であったが,産褥3日目では, CD11bが非妊娠群よりも有意に高値であったのに対し, TLR-4は非妊娠レベルまで低下した.妊娠・産褥期においてCD11b発現強度と同様の変化を示したことより,血漿中α-defensins 1-3濃度が好中球活性化の指標となる可能性が示された.
- 獨協医科大学の論文
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