宮沢賢治文学における地学的想像力(1) : 基礎編・珪化木(1)及び瑪瑙
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概要
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私は、「宮沢賢治文学における地学的想像力」のテーマのもと、基本篇・応用篇・発展篇の各段階における論文を積み重ねることにより、賢治文学の独自性に迫りたいとの構想を有している。基本篇では地学的想像力にフィールドワークの視点から迫り、応用篇では基本篇での成果を作品分析へと応用し、発展篇では作品における〈地学的想像力〉を〈仏教的想像力〉との連関性において包括的に考察していきたいと考えている。本稿「珪化木(I)及び瑪瑙」は、基礎篇における一章をなす予定のものである。一として、大正七年十二月父政次郎宛書簡に記された「岩谷堂産・木化蛋白石」「繋温泉産・瑪瑙」に関しての問題提起。二として、賢治との取引を約束した東京の宝石店、「水晶堂」及び「金石舎」に関する調査報告。三として、金石舎旧蔵の木化蛋白石に関する科学的分析結果の報告。四として、短歌「明治四十二年四月より」に記された「鬼越やま」の「瑪瑙」に関する調査報告ならびに考察、「繋温泉産・瑪瑙」(前出書簡)に関する調査報告をする。「岩谷堂産・木化蛋白石」に関しては、別稿「珪化木(II)」(「言語と文化」第20号、文教大学言語文化研究所、平20・3)でさらに詳しく扱う予定である。
- 2008-03-01
著者
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