簡易二次元レイトレースを用いた伝搬路生成法の屋内見通し外環境に対するパラメータ探索(アンテナシステム・レイトレース,移動通信ワークショップ)

概要

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筆者らは空間信号処理適用時の面的周波数利用効率評価へ向けて,壁面のみを考慮した簡易二次元レイトレースを用いた伝搬路生成法を先に提案している.また,これまで障害物を配置した三次元レイトレースシミュレーションとの比較を通じ,室内見通し環境における現実的な伝搬路特徴量分布を得るための,提案手法における壁面の実効的な反射・透過係数を明らかにしている.本稿では,屋内見通し外環境を想定した伝搬路生成に提案法を用いるために,提案法の拡張ならびに適切なパラメータの探索を行う.具体的には,最短経路パスが透過する際の入射角の違いに起因するライスファクタのばらつきを表現するために,最短経路パス電力に対して対数正規分布に基づく分散を与える.また,三次元レイトレースと提案法との間で全受信電力の整合性を得るために,各パスの距離減衰量を調整する係数を導入する.シミュレーション結果より,反射係数が0.2,透過係数が0.1,最短経路パス電力の対数分散が3dB,距離減衰調整係数が0.2の場合に,提案法により得られる伝搬路特徴量の分布が三次元レイトレースの結果と近似することを明らかにしている.
2008-02-27