炭素繊維強化複合材の面外引張特性試験方法の検討(その1)

概要

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複合材料の面内特性や破壊靱性を評価するための試験は各団体(JIS,ISO,ASTM)により定められているが, 面外引張特性(層間引張特性)を評価するための直接負荷試験は未だ規格化されていない. 本研究では, 炭素繊維強化プラスチック(carbon fi ber reinforced plastic : CFRP) の面外方向の引張特性を取得するための試験方法を検討した.負荷形態はハニカムサンドイッチ板のフラットワイズ試験と同様の直接負荷方式とし, 最初に試験片形状の検討のため, 有限要素解析を実施した. CFRP の0 ゜一方向積層板を対象とし, 供試体形状は円柱と板厚中心部がくびれたスプール状円柱(糸巻き形状)を検討した. 有限要素法ソフトABAQUS を使用して供試体内の応力状態や供試体の各位置の歪みによる見かけの弾性率を検討した. 解析結果より円柱形状の供試体の場合, 治具接着面近傍の特定の位置で応力集中が発生することが予測された. また, スプール状円柱形状供試体の場合, 板厚中心部で応力集中が発生し, 供試体評定部内での破断が予測された. 中心部の直径を減少させることで, この応力集中の度合いが緩和されることが予測された.次に解析で検討した形状の供試体を製作し, 検証試験を実施した. スプール状円柱の供試体の各試験結果は応力集中が予測された位置での破断が確認され, 最小断面部の直径の違いによる破断強度の違いも解析予測と同様の傾向を得た. なお, 円柱形状では試験実施の不安定性が確認され, 標準化する試験法としては採用しがたいことも明らかにした.

炭素繊維強化複合材の面外引張特性試験方法の検討(その1)

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