水流モデルから電流回路を類推する理科授業に関する研究 : ベースドメインの関係とターゲットドメインの関係を類推させるコミュニケーション活動を通して
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概要
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中学校学習指導要領解説理科編,大項目「電流とその利用」では,電流の正体を自由電子の流れとして扱わなくなった。そこで,教科書には,電流および電圧を水流やその落下で喩えるモデルが掲載されるようになった。本研究は,理科授業を通し,水流モデルから電流回路を類推する中学生の実態に基づき,中学生が科学的に類推できるようになる方略について考察した。その結果,学習の初期において,対象レベルの類似に基づく類推を行う中学生が多く存在した。このように類推した中学生を対象に汁『抵抗』と『電流』の関係」や「『電源』と『定常流』の関係」など,ターゲットドメインどうしの関係を類推させる方略を用いることで,水流モデルから電流回路を科学的に類推できる中学生が現れるようになった。
- 2006-11-30
著者
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