20世紀初頭の中国の理科教育論の形成における日本の影響に関する研究
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概要
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20世紀初頭,日本の理科教育は中国の理科教育に大きな影響を与えた。当時,中国では理科教育諭に関する和書が多く翻訳され,理科教師としてお雇い日本人教習が活躍され,実験設備は日本から輸入されたり,あるいは日本の製品が模造されたりしていた。本研究では上記の事実を取り上げ,中国の理科教育諭の形成における日本の影響について考察した。その結果,以下のことが明らかとなった。(1)中国において理科教育は実用的価値以外にも教育的・教養的価値があることが認識されるようになった。(2)理科教育において理科教授法が進歩したことにより,教科書や掛け図以外にも理科教育には実験・観察のための施設設備や器具等が必要であるという認識が高まった。(3)理科の教材・教具の国産化の重要性が認識され,国産品が現れるようになった。(4)アームストロングの発見的教授法が日本を通して中国にも紹介され,理科教育における生徒実験の重要性が認識されるようになった。
- 日本理科教育学会の論文
- 2002-03-29
著者
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