マツノマダラカミキリMonochamus alternatusの種内系統地理および個体群構造(<特集>マツ枯れ)
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概要
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マツノマダラカミキリの形態・生理・生態形質には地域による変異が認められるが,種内の遺伝的構造に関しては未解明だった。近年,昆虫のミトコンドリアDNAの解析が一般的なものとなったことと,マツノマダラカミキリでもマイクロサテライトマーカーが開発されたことから,本種の分子生態学的研究が本格的に開始された。本総説はマツノマダラカミキリの形質の地理的変異を取りまとめ,分子データを用いて本種の種内系統地理と遺伝的構造を解析した研究を紹介する。はじめに,日本,台湾,中国でのミトコンドリアDNAの変異分布と日本国内の個体群のマイクロサテライト領域の解析結果から,国内における遺伝的構造の形成過程が推論された。さらに,マイクロサテライトマーカーを用いた秋田と岩手の個体群構造解析により,マツ枯れ最先端被害地における本種の移動経路が推定された。最後に,今後期待される研究の方向性を議論した。
- 2006-10-01
著者
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