水浸および非水浸条件での関東ロームの圧密降伏応力に関する微視的研究
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概要
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関東ロームの圧密降伏応力は非水浸条件の値は水浸条件の値よりなぜ大きいのか,その原因を突き止めるため顕微鏡を用いてその微視的研究を行った.その結果,まず関東ロームの場合の圧密降伏応力とは,その主な構成粒子の粘土鉱物のアロフェン粒子が応力によって潰れるときの荷重の大きさのようである.また,アロフェン粒子は非水浸条件では原子が強いイオン結合で静電気的に引き合っている.しかし,いったん粒子が水浸され,外力が加わると,一部でその構造が分解し,Si^<4+>イオンとO^<2->イオンになる.そして,このような水浸試料に応力が加わると,非水浸試料に比較して容易に分解するようである.したがって,これらの研究結果は非水浸条件の圧密降伏応力(P_c)が水浸条件のそれより大きいことの理由になるようである.以上のようなアロフェン粒子に関するメカニズムの解明が関東ロームに関する諸研究の地質工学的基礎資料の一つになるものと思われる.
- 2008-08-10