フランスにおける出生前診断の現状と胎児理由によるIVGの危機 : ペリュシュ判決その後
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概要
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本稿では、2000年のペリュシュ判決以後の、フランスにおける現在の出生前診断と胎児理由によるIVG(自発的人工妊娠中絶)との関係を明らかにするものである。これについて、まず、フランスの出生前診断の現状、中絶法の期限改正やCCNE(国家倫理諮問委員会)の見解等の影響を概観し、そこから、医師の「情報を知らせる義務」や妊娠している女性の「自己決定」という従来の議論の枠組みを再度批判的に吟味していく。さらに、出生前診断における「異常」という言葉の及ぼす、個人や社会における影響を考察しながら、出生前診断の持つ本当の目的は何であるのかを検討し、国家・社会・医療・個人における「隠れた優生思想」の連鎖にどう対峙すべきかを論じる。
- 2007-09-20
著者
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