挙児・子育て希望者の多様化がもたらす課題 : 同性愛カップルの事例から
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概要
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欧米諸外国では1980年代より同性愛カップルが養子縁組をしたり、人工授精を経て妊娠・出産して得た子を育てる場合がみられており、近年わが国でも同様の事例が見られるようになってきた。本研究では、当事者への聞き取り調査を通じて、わが国での現状を把握するとともに、一般化する生殖医療がもたらす課題について検討する。調査協力者は子育てをしている女性同性愛者カップル2組であり、ともに人工授精を試み、1例は妊娠・出産したが、もう1例は妊娠には至らず、米国人のパートナーへ国際養子縁組を迎えている。彼女たちの子育ては、親族や地域の人々の支援を得ながら行われているが、それはわが国では、協力者たちが例外的存在として捉えられているためであり、同性愛者の子育ては、未だ不可視的な状態だと考えられる。本調査の結果は、わが国でも今後は、生殖と個人の性的状況との関わりを問うことの重要性を示すものとなった。
- 2007-09-20
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