「家族の同意」に基づく合意形成の課題と展望 : 新約聖書の物語(Narrative)から読み解く家族の関係性を巡り
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概要
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「臓器の移植に関する法律」の中で、「本人の意思(自己決定権)」と「遺族が拒まない(家族の同意)」は必須の軸となっている。本稿では、「家族の同意」のみで移植医療を進めていく昨今的現状に鑑み、「家族の同意」という合意システムに内在する課題を探究し、「同意」が「強要」、「同調(妥協)」へと変質する可能性があることを指摘した。さらに、生命倫理学の母国とも言えるアメリカ社会に種々の影響を与えてきたキリスト教(宗教)思想に関心を払いつつ、新約聖書に伝承される家族物語(ナラティブ)との対話を通し、「家族の同意」という関係性に再解釈を加えた。フェミニスト神学者の眼差しに刺激を受け、「御心を行う」というキーワードを読み解き、自己絶対性から解放された関係性を露にした。更に、「御心を行う」という関係性の中に、「Friendship」という相互を生かす親密な関係性を読み解き、公共性を目指した合意システム構築への手がかりを探った。
- 2006-09-25
著者
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