網膜内ドーパミン作働性神経細胞機能に関する研究
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概要
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1)カエルにおいて10~100μMドーパミンは暗所視系応答と考えられるb波後峰を減弱させ,薄明視系ないし明所視系応答と考えられる律動様小波,d波及びオフ小波を増大させる作用を有することが判明した. 2)ウサギにおいてドーパミン硝子体内注入(50μM)は弱刺激光によるbs波を減弱させ,その頂点潜時を短縮させたが,反復強刺激光による律動様小波を増大させた. 3)ドーパミンはウサギ網膜においても暗所視系応答を抑制し,明所視系応答を増大させた.以上の結果よりカエル及びウサギ網膜においてドーパミンは暗時に作用していた杆体系一錐体系抑制作用を解除することによって明所視機能を促進する可能性が指摘された. 4)ウサギにおいてドーパミン硝子体内注入(50μM)は光刺激開始直後の30Hzフリッカー網膜電図の振幅を増大させ,漸増現象の程度を減弱させ,ドーパミンが暗所視系から明所視系への抑制の解除に関与すると推論された
- 1995-08-01
著者
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