中国の木材輸入管理:構造と機能
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概要
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中国は1970年代末から改革・開放政策を推進してきている。経済体制の改革は計画経済から社会主義市場経済への転換までに展開されてきた。これに伴って木材需給政策は,木材統制の縮小から市場メカニズムの確立まで徹底的な改革が行われていた。一方,GATTへの復帰とWTOへの加盟が実現されておらず,開放経済・貿易自由化までにはまだ遠い道のりが残っている。こうした背景下に,木材輸入管理は,1993年までには国家輸入計画管理下において,木材輸入管理は輸入計画,割当管理,外貨割当,許可証制度,指定公司経営などから構築され,外材の中国市場への進出を抑制するものとして機能してきた。1994年以降,輸出入規制が大きく緩和されている中で,木材輸入管理は割当管理,輸入許可証,認定公司経営などからなる国家輸入割当管理下におかれており,それによって木材輸入が引き続き抑制されている。また,中国はこうした輸入の抑制を通じて木材市場をある程度の供給不足の状態にキープし,国内森林造成の拡大,関連産業の振興と木材輸出国における森林開発への圧力の削減に寄与している。
- 2000-03-10
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