中国内蒙古自治区伊克昭盟における果樹生産と果実流通問題 : 乾燥地緑化における果樹の活用に関する一考察
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概要
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近年,中国では「小流域総合整備開発」という新しい乾燥地緑化方式が遂行されるようになった。この新しい緑化方式の特徴の一つは果樹の活用である。本稿では,内蒙古自治区伊克昭盟での現地調査に基づいて農家の果樹生産と果実流通の実態及び果樹生産による農家の収益状況を明らかにし,その問題点及び今後の対策について検討した。その結果,生産の粗放性,栽培技術の不足などによる果実品質と単収が低いという問題や,情報の不足,卸売市場の未整備と出荷の無組織,販路の狭さなどによる果実販売が難しいという問題が明らかになった。今後の方向性としては,生産集約度の向上,村レベルの技術指導員の養成などを通じて果実品質と単収の向上を図ることや,情報サービス体制の確立,卸売市場の整備,郷村協同出荷組織の養成と協同貯蔵施設の整備,下級品加工の拡大などを通じて販路の疎通と多様化を図ることが考えられる。
- 林業経済学会の論文
- 1999-10-01
著者
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