市民の花粉症に対する認識と森林管理に対する意見 : 淀川上・下流住民へのアンケート調査をもとに
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概要
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近年,スギ等の花粉によって引き起こされる花粉症問題が社会問題として取り上げられるようになっている。花粉症の原因の一つにスギがあげられる一方で,スギは成長が早く,建築用材として有用な木材として広く造林され,日本林業を支えている重要な樹木でもある。このスギの持つ二面性をふまえたうえで,スギ林また森林全般の管理について一般市民がどのような意見を持っているのか,また意見を持つにあたってどのようなことが影響するのかを調べることとした。このために淀川上・下流の居住者計2,000人を対象にアンケート調査を実施し,その集計結果を用いて森林に対するどのような認識・個人属性が,森林管理に対する意見形成に影響しているかを分析した。その結果,市民の多くはスギ花粉が花粉症の原因の一つであるが,花粉症は他の様々な要因も複合的に影響して発症すると認識しており,スギ林の存在に対しては総じて好意的であった。しかし花粉症にかかっている人,スギが花粉症の原因であると認識している人は,スギ林を減らしてほしい,また,公的資金を投入して花粉症対策をとってほしいという意見を持つ傾向にあることなどが明らかになった。
- 林業経済学会の論文
- 1999-03-20
著者
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