「森林施業の共同化」の現段階 : 中予山岳流域からの報告(1996年秋季大会自由論題論文)
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概要
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愛媛県中予山岳流域では,地に足のついた「森林施業の共同化」を推進すべく,「共同施業団地」の設定・運営を進めてきた。この取り組みは4年目を迎えるが,現段階では十分な効果が上がっているとは言えず,団地方式による「森林施業の共同化」は非常に困難であることがわかってきた。そこで,「森林施業の共同化」推進の問題点をさらに詳細に分析すべく,同流域で林家の意向調査を実施したところ,林家の「森林施業の共同化」の捉え方は,林地の「零細分散錯圃制」の克服策として共同施業・共同委託を実施するという政策的共同化の趣旨と大きな差異が見られた。一方で,林家の自営意識は依然強い。しかし,将来的に林家の活動が急激に弱まることは明白であり,林地の「零細分散錯圃制」の克服は一層重要な課題である。克服策として「森林施業の共同化」路線をとる場合,現実に即した林家への対応が不可欠であり,現段階における「森林施業の共同化」の手法には,大きな方向転換が必要であると言える。
- 林業経済学会の論文
- 1997-10-01
著者
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