脳性マヒ者の職業に関する研究 : 就業年限の相違による適合の問題について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
脳性マヒ者の就業における適合の問題を就業年限の観点から考察したが、適応条件に関する制約上の問題はあるが、次のごとき結果と課題を見出すことができた。1.就業脳性マヒ者は、就業年限の差にかかわらず、軽度および中程度障害においては、障害と就業内容が適合している場合においては、安定した状態にある。2.中程度障害者の適合の行なわれるのは、比較的少数の場合である。3.機能障害と就業内容とがよく適合していない場合の就業は、基本的に困難な状態にあるが、かれらのなかには、(1)雇用主の理解により、障害に適した就業内容への移行がみられ、(2)本人の事業所内での主体的な対人関係の推進により、定着への可能性が認められる。したがって、脳性マヒ者の就業前教育において、(1)職能的機能訓練の強化と、(2)集団的、協同的学習の機会による対人関係の適応が課題となるであろう。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1970-06-01
著者
関連論文
- 視覚障害I(視覚障害,日本特殊教育学会第28回大会研究発表報告)
- 脳性マヒ者の職業に関する研究 : 就業年限の相違による適合の問題について
- 提案2.(V 肢体不自由部会,判別と指導,部門別シンポジュウム,日本特殊教育学会第7回大会シンポジュウム報告)
- 脳性マヒ児の手指の機能に関する一考察(肢体不自由、病虚弱部門,個人発表,日本特殊教育学会第五回大会発表抄録)
- 石井亮一と乙竹岩造における精神遅滞児教育カリキュラムの現代的性格 : 学習指導要領との関連を中心に
- 脳性マヒ児における手指の機能に関する研究 : 評価段階からみた病型の特性について
- 徳島県における精神薄弱特殊学級教育課程の考察 II : 戦後の中学校の場合
- 徳島県における精神薄弱特殊学級教育課程の考察 I : 戦後の小学校の場合
- 乙竹岩造の精神薄弱教育論 I : 教育学としての基礎理論
- 「養護・訓練」の史的考察III : 病弱・身体虚弱児の場合
- 「養護・訓練」の史的考察 II : 肢体不自由児の場合
- 「養護・訓練」の史的考察 I : 精神薄弱児の場合
- 中程度脳性マヒ者の就業における適合性
- 精神薄弱教育におけるカリキュラムの史的考察 : 石井亮一の教育内容を中心として
- 石井亮一の精神薄弱児観
- わが国における初期の精神薄弱教育の性格
- 脳性マヒ者の就業に関する研究 I : 就業内容と機能障害との関連における適合の問題について