高等学校における軽度発達障害をもつ生徒への就労支援の試み
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概要
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本研究では、軽度発達障害をもつ青年Aが、一般事業所雇用に至るまでの経過を紹介し、これをもとに軽度発達障害をもつ人が、就労をめぐり直面する課題、それを切り抜けていくための支援について考察した。就労支援開始当初、Aおよび保護者は、療育手帳取得や地域障害者職業センターの利用に対し否定的であったが、Aの障害特性や就労に対する見通し等を話し合う過程でこれを受け入れ、職業リハビリテーションの利用に至った。Aは高校卒業後、障害者職業能力開発校を経て一般事業所に就職したが、対人関係や就労への不安等を抱くようになり、精神的サポートが必要となった。この事例から、軽度発達障害の就労支援として、(1)障害受容への支援、(2)職業リハビリテーションの活用、(3)精神的サポート、(4)職業体験の重要性が示唆され、今後の課題として、職業体験の場の確保、就労後のフォロー、高校・大学等における軽度発達障害の理解と支援体制づくりがあげられた。
- 2006-05-31
著者
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