読み障害児の音韻変換能力 : ひらがな表記された単語の黙読に要する処理時間の検討
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概要
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本研究では、読み障害を、音韻過程に含まれる文字列から音韻結合への変換能力の問題ととらえて検討した。読み障害児と小学校1〜3年の健常児に、タキストスコープでひらがな単語を呈示し、再認法で同定させた。呈示時間を変えて、被験者が処理する時間を調整した。健常児は、学年が上がるにつれ、音韻変換能力にクリアな向上がみられた。読み障害児においては、呈示時間が短い条件では、全員が1年生よりも低い正答率であった。しかし、呈示時間が長い条件では、正答率が2、3年生と同程度の被験者と、3年生よりも大幅に高い被験者とが存在していた。これらの結果は、読み障害の被験者全員が、音韻変換能力に問題を抱えていることを示唆している。しかし、正答率の変化の仕方は、全員が同じ傾向をもつのではなく、子どもによって微妙な違いがみられた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2005-05-31
著者
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