自閉症児に対する要求構文等の対人的使用に向けた指導 : 共同行為ルーティン「ホットケーキ作り」を通して(実践研究特集号)
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概要
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要求構文等の基礎的スキルを既に有しつつも、その対人的使用面に課題をもつ6歳の自閉症児に対して、共同行為ルーティン「ホットケーキ作り」を設定し、適切な要求構文等の使用を目的とした指導を14セッション行った。対象児は、本指導を通して急速な変容を示した。要求構文(2語文、3語文)・質問構文は第13〜14セッションまでにほぼ習得され、構文の発話を必要とする状況を意図的に組み込んだ指導が、構文の対人的使用を促進させたと考えられた。児童間の相互交渉の指導では、行為の主導化に相応して他児への関わり方が変容した。指導者によるプロンプトの提示と構造化された共同行為ルーティンの継続により、先行する事態の想定が可能になり、関わり方の変容をもたらしたと推測された。また、習得内容が家庭生活場面にも般化しつつある事実も示され、当指導の有効性が示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1999-03-30
著者
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