重症児施設訪問教育における集団指導の効果(実践研究特集号)
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概要
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本稿は、人工呼吸器を装着し、痰の吸引等の医療行為を常時必要とする一重複障害児の訪問教育に関する事例研究である。出生時より、幾多の困難な病気のため長期の入院生活を余儀なくされてきた本児が、病院から重症心身障害児施設への入所を契機として、それまでの病室での「個別指導」に加えて、新たに友達との「集団指導」をも受けられるようになったことで、さまざまな良い変容を引き出すことができた。特に「朝の会」をはじめとする集団指導において、(1)朝の会に自ら進んで参加し司会進行を教師と共にしっかりとできるようになったこと、(2)友達の活動を認め、友達といっしょに行動しようとする気持ちが育ってきたこと、(3)集団で学習するルールを学び、甘えやわがままが減ってきたこと、といった変容が認められた。その要因として、(1)朝の会の司会進行を教師主体から本児主体に移行させたこと、(2)授業に自分と同じような病気を持つ友達といっしょに参加しているという仲間意識が芽生えてきたこと、(3)朝の会の流れをパターン化し繰り返し指導したこと、があげられる。
- 1998-03-31
著者
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