聾学校高等部生徒における算数文章題の困難点に関する研究(実践研究特集号)
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概要
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聴覚障害児の場合、日本語と関連が深い領域では,年齢相応の学力の獲得は困難であり、算数・数学でも、計算はできても、文章題が難しい聴覚障害児は多いと言われている。そこで,Rileyら(1983)を参考にして作成した算数文章題を、K聾学校高等部の生徒に実施したところ、最後の状態を問うノーマルな問題はできても、求める数の位置を変えたり矛盾を含めたりすると、全体的に正答率が下がったこと、数学の授業中の様子などから、聴覚障害を持つ生徒にとって文章題が難しい理由として、言葉の表面的なイメージにひきずられること、「逆操作」を用いる必要があるかどうかの判断の難しさ、「左から右へ」「反対の状況ならば反対の方略を使う」といった思考様式,数字や言葉の意味に対する意識の薄さ,などが考えられた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1998-03-31
著者
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