側彎を有する肢体不自由児・者に対する臨床動作法の効果 : 適切にタテの力を入れることに気づくための体験の重要性
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概要
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肢体不自由児・者の有する姿勢上の問題のうち、改善の困難なものに側彎がある。本稿では、側彎を有する2名の肢体不自由児・者(トレーニー)に対して臨床動作法によるアプローチを実施した。側彎を有するトレーニーの場合、上体を垂直に立てるタテの力が入れられるようになることが改善を得る上で非常に有効である。そこで、そのタテの力を出現させるに効果的な援助を探求するために、訓練過程の中でトレーニーに「踏みしめ体験」を十分させることを試みた。その結果、2名ともにタテの力を入れることができる方向への変化を示した。タテの力を入れることは必ずしも容易でない。本稿での結果は、上体に仮にうまく力が入れられたならば得られるであろう床からの感じ、すなわち「踏みしめ体験」を十分にさせることが、身体の正しい使い方の手がかりをトレーニー自身に呈示する上で効果的であることを示唆している。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1996-11-30
著者
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