精神遅滞児の自己概念に関する研究 : 自己能力評価・社会的受容感と生活年齢・精神年齢との関連性の検討
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概要
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認知と運動領域における自己能力評価、および社会的受容感を測定する健常児用検査を、精神遅滞児への適用のために改良した。そして、特殊学級や養護学校に在籍する9歳から18歳の軽・中度精神遅滞児79名を対象にその検査を実施した。改訂した検査の妥当性と信頼性が、因子的妥当性および信頼性係数によって明らかにされた。さらに、精神年齢5・6歳台および7・8歳台の小・中学校の特殊学級在籍児の検査結果において、生活年齢、精神年齢と自己能力評価・社会的受容感との関連性を分析した。その結果、精神年齢や生活年齢の増加に伴いそれらが低下する健常児と同様な傾向が示された。また、認知領域に比べ低い運動領域の自己能力評価が認められた。他児のより高い課題遂行性と自分の遂行性とを直接比較する機会の授業間における差異が、このような自己能力評価の領域間差をもたらしたと考察した。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1996-09-30
著者
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