精神遅滞児における濁音の読み行動変容 : 平仮名・片仮名の両者について
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概要
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平仮名や片仮名の特定の文字が読めない精神遅滞児に対して、見本合わせ法を用いて仮名1文字の読み行動を獲得させようとする場合には、いくつかの問題がある。本研究はこの問題点を解決しながら濁音文字の正しい読み行動を獲得させようと試みた。(1)平仮名・片仮名は1文字では意味をなさず、精神遅滞児にとっては聴覚刺激と1文字のマッチング学習が難しい。(2)マッチングの初期学習時に位置偏好を示す場合が多く、マッチング行動の獲得をペースダウンさせやすい。そこで、指導Aでは、聴覚刺激と単語の刺激等価を獲得させ、さらに単語の中の1文字に注目させる方法をとり、平仮名の読み行動を導いた。指導Bでは、見本合わせ法にスーパーインポーズとフェイディングを組み合わせて、位置偏好を生起させずに聴覚刺激と1文字の刺激等価を獲得させ、片仮名の読み行動を導いた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1995-01-31