確率学習場面における精神遅滞児の問題解決過程と発達-差異論争
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
精神遅滞児の心理学研究において、学校や家庭での精神遅滞児の行動が、ほとんど問題解決行動として注目されてこなかったのは、一種の驚きである。確かに、一般的にも問題解決の検討は、種々な要因が関与するだけに困難を極める。その上、精神遅滞児の場合、彼らの問題解決行動を分析しようとすると、健常児以上に認知要因および情緒的動機づけ的要因の連関性が強く、実験統制の難しさのみならず、個人間・個人内差が大きくなるだろう。しかしながら、とくに精神遅滞児の教育の手がかりをもつためには、もっとこの問題解決行動の研究が進歩する必要がある。本稿では、確率学習課題を用い、その基礎心理機制を検討してきた諸研究を概観して、精神遅滞児の特徴を知る。そして、精神遅滞児の認知機能に関して、1960年代から続いている論争に、この問題解決過程からの接近を試み解決の方向を探る。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1994-09-30
著者
関連論文
- 臨床・障害1(801〜808)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 精神遅滞1 認知・学習・記憶(精神遅滞,日本特殊教育学会第29回大会研究発表報告)
- 精神遅滞IV 認知・思考(精神遅滞,日本特殊教育学会第28回大会研究発表報告)
- 学習・教育を支えるコミュニケーションの基礎的研究 : 好悪感情を中心に
- 共同思考を支えるコミュニケーション
- 「統合」保育に対する保育者の意識に関する研究 (2) : 米国ニューヘイブン市の現状
- 重症心身障害児の定位・探索反応の分析
- 1歳6ヵ月健康診査における発達診断の効果 (1)
- 1歳6ヵ月健康診査における発達診断の試み
- 精神遅滞児教育における教師の言語行動の分析
- 精神発達遅滞児における媒介過程と言語処理水準
- 眼球運動からみた精神発達遅滞児の調和・不調和図形認知の発達と教示効果
- 精神発達遅滞児の知的好奇心について : 調和・不調和図形の観察時間を指標にして
- 精神遅滞者における外的指向性とメタ認知 (2)
- 精神遅滞児の認知発達をめぐる発達 : 差異論争とその今日的意義の探求(自主シンポジウム27,日本特殊教育学会第34回大会シンポジウム報告,実践研究特集号)
- 障害児・者教育心理学研究の現状と課題 : 研究方法(実験法)に注目して
- 障害 2-7 精神遅滞者における外的指向性とメタ認知
- L9020 健常児および精神遅滞児の外的指向性の発達
- 確率学習場面における精神遅滞児の問題解決過程と発達-差異論争
- 発達2145 5歳児における外的指向性の発達
- 統合保育における精神遅滞幼児と健常幼児の相互作用過程
- フロアーとの討議について(I 授業研究の動向と課題)
- 企画の主旨(I 授業研究の動向と課題)
- I 授業研究の動向と課題(シンポジウム1(公開),準備委員会企画シンポジウム)