脳性まひ児の方向概念の発達に関する研究
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概要
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本研究は、脳性まひ児の方向概念の発達に及ぼす行為(姿勢の保持や移動)の影響を検討するものである。被験者は脳性まひ児55名(4〜22歳)であった。課題は坐位で自分にとっての上下左右前後の方向指示(自体課題)と、対面・同方向に立っている人形での方向指示(人形課題)、臥位での自体課題と、臥位にある人形での人形課題であった。数量化I類による分析では、年齢、動作レベル、知能レベルの項目が方向指示に大きく寄与することが示された。年齢では、A1(4〜6歳)群がA3(10〜12歳)、A4(13〜15歳)、A6(19〜22歳)群より臥位・坐位にかかわらず得点が低いこと、動作レベルでは自体坐位・人形立位で寝たきり群が立位・歩行群より低いこと、知能レベルでは臥位・坐位に関わらず低群が普通群よりも低いことが示された。本研究の結果から、方向概念の形成が、空間の中に自分のからだを位置づけたり、移動したりする行為によって促進されることが示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1993-03-31
著者
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