病弱児の「病気」の概念 : そのカテゴリー化の発達的変化と健康児との比較
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概要
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病気に関する知識や概念を子どもに与える際の基礎資料として、カテゴリーとしての「病気」の概念を取りあげ、自由想起法による調査を行った。対象は小学校3年から6年の腎ネフ児74名、喘息児82名、健康児154名の計310名であった。分析の結果、病弱児、健康児共、病名外反応が5年生で増加し、その後減少するという共通の傾向を示し、先行研究の結果とあわせて「病気」に関する概念の発達にとって11歳前後がキーエイジとなることが示唆された。また「病気」の概念の広がりに関しては病弱児と健康児とでは違いはないものの、その内的構造には差異があり、特に腎ネフ児の概念構造が特徴的であることが明らかとなった。しかしながら「病気」の概念の発達も他の諸概念と同じく多元的なものであり、これらの差異は発達的な遅速を示すものではないと考えられる。
- 1990-09-25
著者
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