発達性語聾における聴覚的理解の形成
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概要
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聴力はほぼ正常だが、音声の理解はできず、また、唖の状態で発話も不可能な精神遅滞を伴う発達性語聾の1事例について報告した。本研究は単語の聴覚的理解を形成することを目的に、音声刺激に文字を加えた場合と加えない場合との2条件で聴取訓練を10試行実施し、聴覚的理解の変化を検討した。さらに、各条件で単語の復唱も行った。その結果、(1)文字を加えた条件で訓練した単語の方が文字を加えない条件より、聴覚的理解の成績がよい傾向にあった。(2)10試行中の反応の一貫性は、文字を加えた条件の方が高い傾向にあった。(3)単語の復唱は不可能であった。以上の結果から、発語にかかわる構音機能が働かなくとも、文字の視覚イメージのたすけのみで聴覚的理解の形成はある程度可能であることが示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1988-06-10
著者
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