米国の障害児教育における個別教育計画(Individualized Education Program)に関する考察
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概要
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米国の障害児教育は全障害児教育法の施行によって新しい局面を迎えている。その理念は「無償かつ適切な公教育をすべての障害児に(FAPE)」保障することで、そのために「最も制約の少ない環境(LRE)」で「個別教育計画(IEP)」に基づくきめの細かい教育を実施することにある。このIEPと障害児教育とのかかわりについて関係文献や資料を整理して考察した。その結果、1)教育権保障のためにはIEP誕生の必然性があった。2)IEP委員に親が参加したことにより、教師と親との協力関係の重要性が増大した。3)IIPの比重が今後は増大するであろう。4)教育措置に関するヒアリソグが親の要求によって今後も多く開催されるであろう。5)IEPに関する教師の作業負担は大きく、その軽減策が今後の重要な課題である。6)教師の指導責任を問う新しい権利概念の成立が予想される。今後の障害児教育の発展は、財政援助等の外的条件整備と共にこのIEPが、内的条件の主要な中心機能として、教育する側、教育される側(親・子)の両者に対して益々重要な役割を果たすことになるであろう。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1982-09-30
著者
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