点字使用者の同音異義の"漢字"想起について
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概要
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点字を常用する視覚障害者は、日本語が漢字仮名交り文を正書法とするため漢字・漢語の理解特に同音異義語の理解に困難がある。点字使用者のこの不利を明らかにするため同音異義の漢字を想起させてその結果を比較した。被験者は一般学生28名、弱視学生39名、点字使用学生28名。想起数の平均値を点字群と漢字群とで検定した結果0.1%水準で有意差が認められたが各群内の正眼と弱視、先天盲と後天盲では有意差は認められなかった。しかし、漢字群(正眼≒弱視)〉点字群(後天盲〉先天盲)の関係がすべての結果においてみられた。想起された漢字の出現順位は使用文字に関係なく、漢字使用経験の有無にも関係なく一致した傾向にあった。特に漢字経験のない先天盲グループの漢字の理解度も解答頻度から十分に理解したうえで解答していることが確認された。なお漢字・漢語の理解度は今後に予定している文脈における理解力の程度とその影響に関する調査により更に正確なものとすることが今後の課題である。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1982-07-24
著者
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