脳性まひ児の知能について : その測定と発達的変化
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概要
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脳性まひ(CP)児について、(1)標準知能検査(ここではWISC)適用の妥当性の問題、及び(2)知能の発達的変化の検討を試みるべく本研究を計画した。1養護学校における小・中学部9年間に亘る縦断的資料を用いたが、資料収集の制約から被検者は、小1〜 小4:81名、小4〜 小6:53名、小6〜 中3:53名の3群よりなる。資料分析の結果、(1)相接する2測定時点の間で全ての測定値はきわめて高い相関関係を示した。即ち、WISCはCP児群においても高い安定度(信頼性)をもつことが確認されたわけで妥当性検討の一資料としたい。(2)CP児の知能測定値は量的、質的に大きく変化する経過が認められた。即ち、それは小1〜 小4で急激な上昇変化を示し小学部高学年でプラトーに達した後中3にかけてはやや低下する傾向が見られた。また、小1で特有の部分的陥没の目立ったプロフィールが、小4以後かなりの程度回復する傾向が示され、入学初期の集団生活・学校教育の効果をうかがわしめるようであった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1976-03-15
著者
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