ヒストン修飾による染色体構造・動態変化と植物の生長・分化(<特集>エピジェネティクスによる植物の成長・分化制御)
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概要
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ヒストン修飾は代表的なエピジュネティック制御機構である.ゲノムワイド解析により,ヒストン修飾と遺伝子発現には一定の関係があることがわかってきた. H3K4me2は植物のユークロマチンに共通に局在するが,ヘテロクロマチンを特徴づけるヒストン修飾は植物種によって異なる.植物のH3S10/28phは細胞分裂後期の染色体分離に関与する.また,植物染色体におけるヒストン・アセチル化は遺伝子発現ではなく複製タイミングと関係している.さらに,春化による花芽形成には,ヒストン修飾制御遺伝子が関与しており,ヒストンのメチル化を通じてクロマチンの状態を制御することで,開花抑制遺伝子の発現を調節している.他のヒストン・メチル化酵素は花粉管伸長を制御している.このように,植物においても生長・分化過程のダイナミックな遺伝子発現制御に,ヒストン修飾が関与していることが明らかになってきた.
- 植物化学調節学会の論文
- 2008-05-31
著者
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