精神科の急性期患者に対する音楽療法の可能性と意義
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概要
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精神科における急性期患者への対応は改善され、生活療法の必要性が言われつつある。欧米と同様に音楽療法の導入の可能性も推測される。本論では、急性期患者への集団音楽療法をYalomのグループサイコセラピー理論を援用し、実践を試みた。その結果、声の即興では患者達が自発的にリズムに合わせて声を出し動きをつけるなどのプロセスが定着し、「今ここで」アプローチからみても、療法への導入目的に効果的だと考えられた。楽器活動では療法を体験することが促され、即興楽器活動では、主に他人に認められる経験が起こり、楽器活動においては構造の有無が関係していると思われた。最後に、ソングライティングでは、患者同士で話し共感的体験があり、今後の歌詞分析に意味があると考えられた。実践経過から、「今ここで」アプローチ、精神科の急性期患者と音楽、そして今後の急性期患者に対する集団音楽療法の可能性について考察する。
- 尚美学園大学の論文
- 2006-03-31