アーノルド・シェーリングの音楽象徴論 : (1)論文「音楽象徴学」の解題
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概要
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本稿は、アーノルド・シェーリングが1935年度版『ペータース音楽図書年鑑』に寄せた論文「音楽象徴学」の解題である。これは、バッハ、ベートーヴェン等の作品解釈のかたちで彼が展開していた音楽象徴論のエッセンスというべきものであり、今後その全貌を明らかにしていくにあたっての核となる論文といえる。シェーリングの提唱する音楽象徴学は、「音楽の意味内容、すなわち音の背後にあって、精神的な核心、創作上の動機として存在するもの」を扱う。その根底にあるのは、およそ「音楽」の名に値するものはすべて「何かあるものの象徴(Sinnbild)、つまり何らかの意味(Sinn)の姿(Bild)」であるという、彼の信念にほかならない。シェーリングはこの論文で、様式学および美学に対する批判を基盤として音楽的象徴の特質を説きつつ、その分類を試みている。
- 2005-12-25
著者
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