3.味蕾形成における転写因子Sox2の役割(<総説特集>口腔内感覚の発生機構)
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概要
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外界からの味物質を最初に受容する細胞群である味蕾は、舌表面や軟口蓋に存在し、その多くは乳頭という特徴的な組織の中に埋没している。この10年ほどで味覚受容体分子の単離と機能解析が急速に進んだが、味蕾そのものの形成に関する分子機構にっいては、いまだ多くが謎に包まれている。胎児期に開始される味蕾の発生、分化、成熟、そして生涯にわたって味蕾を安定的に維持する分子機構を解明することは、味覚に関わる基礎および応用研究を促進するだけでなく、発生生物学における普遍的な命題として我々を魅了する。本稿では、最近明らかになった味蕾の形成におけるSox2の機能と様々なシグナルネットワークの一端を紹介したい。
- 日本味と匂学会の論文