発症より長期経過しているにも関わらず仮名文字形態想起能力が向上した一例 : 機能再編成法に基づいて
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概要
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発症より10年が経過した失語症例に対して認知心理学的分析を行い,仮名文字形態想起能力向上を目的に訓練を実施した.訓練内容は,漢字及び仮名ともに日常使用頻度が高い語を用い,その語に対応した仮名文字を文字列として想起させた.その結果,仮名文字単語の書称,書取,仮名1文字の書取において改善が認められた.訓練方法は従来のキーワード法に類似しているが,漢字単語を利用して,それの語頭音に対応する仮名1文字の想起を促すのではなく,仮名文字単語を文字列として想起可能にし,それらの語数を増やしていくことに相違点がある.またこの方法は,仮名1文字ずつの文字形態想起能力にも影響を及ぼしたのではないかと考えられた.
- 高知リハビリテーション学院の論文
- 2008-03-31
著者
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本田 梨佐
高知リハビリテーション学院言語療法学科
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大塚 裕一
医療法人室原会菊南病院言語療法科
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宮本 恵美
医療法人室原会菊南病院言語療法科
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橋本 幸成
医療法人室原会菊南病院言語療法科
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本田 梨佐
高知リハビリテーション言語療法学科
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