409 自動同調ばね式吸振器を用いたエンジンマウントの開発と振動制御

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エンジン、コンプレッサなどは不釣り合い質量が大きいため、その振動が床を通して伝達され、振動騒音の被害を及ぼす。特に、自動車などでは、車室内振動と騒音は快適性を損なうため、その対策が盛んに行われている。この問題で、近年、液体封入マウントが用いられるようになり、振動伝達を低減すると同時に高い振動数域の騒音を抑制している。しかし、液体封入マウントを用いる場合、マウントが柔らかいほど、支持しているエンジンの振動が大きくなってしまう。振動が大きくなると、機器の安定性が損なわれ、そこから騒音を発し、また振動による疲労破壊の原因ともなる。したがって、振動伝達が小さく、かつ振動体も振動しない制振法が望ましい。そこで、本研究では振幅倍率と振動伝達率を同時に1以下に低減でき、制御エネルギの小さいコンパクトな制振装置およびその制御法を開発することを目的とする。その目的を達成する方法として、高次周波数の騒音伝達を抑制する方法としては液体封入マウントを用いる。一方、振動体の振動振幅と伝達率を抑制する方法としては、円錐コイルばねの非線形性を利用して可変剛性を実現する可変剛性動吸振器を用いる。本研究は、この動吸振器をマウントに内蔵した可変剛性動吸振器機能を有するコンパクトな液体封入マウントを開発し、その自動同調制御法を提案するものである。各強制振動数で実験を行い、それより得られた伝達率の周波数応答曲線をFig.A3に示す。図より、可変剛性範囲において、自動同調前に比べて同調後は大幅に伝達率を低減できており、特に、共振付近では最大で約1/4程度に抑制することができている。また、変位振幅でも同様の結果が得られ、最大で約1/6程度に振動を低減できた。以上のことから、本研究で開発した装置と制御法を用いることにより、振動振幅と伝達率を同時に低減できることを確認できた。
社団法人日本機械学会の論文
2006-08-06

409 自動同調ばね式吸振器を用いたエンジンマウントの開発と振動制御

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