分娩直後の早期接触に関する研究 : ビデオを通した相互関係の行動観察
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概要
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目的 本研究の目的は,早期接触における親子の関係,また家人が介入する場合の関係を明らかにし看護への示唆を得ることである。方法 研究協力の承諾を得た9名の初産婦を対象に,分娩直後の早期接触場面を10分程度ビデオ収録した。ビデオ映像はフィールドノート化し,母親から児への接触状況・児の覚醒状況などをポイント化した。30秒以内に母児の行動が生起した場合を相互交渉とみなし,30秒単位で合計し評価・分析を行った。結果 母児の行動は共に「母親の行動のあとに児の行動の上昇を迎えるもの」よりも「母児が同時期に行動の上昇を迎えるもの」のほうが高かった。経時的変化は「母親の行動のあとに児の行動の上昇を迎えるもの」は6分以降減少し「母児が同時期に行動の上昇を迎えるもの」は増加した。父親の参加の有無による母児の行動は共に「母児が同時期に行動の上昇を迎えるもの」よりも「母児と父親が同時期に行動の上昇を迎えるもの」のほうが高かった。結論 早期接触では母親の行動のあとに児の行動の上昇を迎える関係から,同じ時期に行動の上昇を迎える関係に変化した。早期接触には父親が加わることで母児の行動を上昇させる傾向があるため,父親が参加することが望ましい。家人が早期接触に参加することは,母の注意が児から離れる原因になり得るため,配慮が必要である。
著者
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