文化大革命初期の民間言説に見る「社会主義」認識について : 紅衛兵と上書者の言説の比較において
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概要
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文革期に紅衛兵及び造反派の一部に出現した,毛沢東思想への懐疑とマルクス・レーニン主義に対する独自の思想的研鐙に関しては,(1)文革の長期化に伴う厭戦的雰囲気の出現,(2)文革の現実に直面した彼等の失望感-に着目した分析が一般的であった。しかし本稿で指摘したように,この種の試みは文革の長期化に関わりなく,どの段階でもなされ得るものであった。本稿で検討対象とした一部の紅衛兵と上書者の場合,前者は文革の初期段階後者は文革以前から既に毛沢東思想への懐疑を強め,独自の思想的営為を通じマルクス・レーニン主義の立場から毛沢東思想を批判するに至っていた。彼等はそれを通じ,「社会主義」に対する認識を深化させたのである。
- 2008-04-25
著者
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