本邦における喘息のコントロールと管理の変化 : 2000年度と2005年度の喘息患者実態電話調査(AIRJ)より

概要

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【目的および方法】2000年度の喘息患者実態電話調査より,本邦の喘息患者のコントロールが不十分であり,吸入ステロイド薬(ICS)使用率も欧州に比べて劣ることが判明した.今回,2000年度と同じランダム電話インタビュー法を用いて,800名(成人,小児各400名)を調査し,5年間の患者実態の変化を比較した.患者背景の差は2000年度の患者集団を基準に2005年度の値を統計的に調整し,比較した.【結果】最近1ヵ月間に喘息症状を有した患者は,成人で日中の症状が52%から46%に,小児で夜間の症状が40%から33%に減少した(p=0.046, p=0.039).最近1年間に入院,救急治療室受診,予定外受診のいずれかを経験した患者も,成人で41%から31%に,小児で62%から49%に減少した(p<0.01, p<0.001). ICS使用患者は成人で12%から18%に,小児で5%から8%に増加した(p=0.019, p=0.059).【結論および考察】5年間で患者の喘息コントロールの改善とICS使用率の増加が認められた.しかし,我が国の現状は,喘息ガイドラインの目標に対して未だ不十分であり,今後もガイドラインの更なる普及と啓発が必要である.
社団法人日本アレルギー学会の論文
2008-02-28