フランス文学における舞踊(II) : 古典主義の時代から啓蒙主義の世紀へ(1)
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概要
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フランス文学の作品中に描かれた舞踊のテーマを探る。約1000年に及ぶフランス文学の流れを中世から現代まで見通したなかで、それぞれの時代に特徴的な作品を選んで、考察していく。みずからが踊って楽しむ舞踊から、鑑賞を目的とする芸術的な舞踊が台頭してきた18世紀は、舞踊のさまざまな役割が意識された時代であった。ジャン=ジャック・ルソーの舞踊についての言説は、論考全体の核となろう。本稿では中世からルネサンスに至る600年をたどった前稿に引き続き、17世紀フランス古典主義の文学にみられる舞踊の諸相を探る。宮廷においても田園においても人々の娯楽、気晴らしであった中世の舞踊は、ルネサンスの息吹とともに専門化が進み、17世紀の宮廷生活では貴族にとって重要な嗜みとなり、制度としての舞踊の存在感が増していく。舞踊教師の指導により複雑化していく舞踊の振付は、踊り手を選別し王を頂点とした宮廷の秩序を顕示することになる。
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