日本的生産システムの効率的な海外移転のあり方 : FA視点からトヨタ系部品メーカーの戦略を読む
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では、自動車産業におけるグローバル競争の激化の中、完成車メーカーに比べて相対的に資源が不足している日本自動車部品メーカーが如何にして、完成車メーカーの海外進出ペースに応じて、日本的生産システムの効率的な海外移転をするかという課題に注目している。これまでのほとんどの既存研究がシステム移転の全過程を見渡すことと違って、生産工場の準備段階におけるハード的なシステムに焦点を当て、「日本的生産システムの特徴が組み込まれている日本的「FA」システムを、生産準備段階におけるハード的なシステムの標準化を図る形で移転する」という方法を提示した。トヨタ部品メーカーA社の事例を取り上げて、A社における日本的「FA」システムと日本的生産システムに対する各構成要素の機能分析を通じて、その有効性を明らかにした。この方法によって、多発的な海外拠点におけるハード的なシステムに対する全過程の設計・製作といった作業を修正だけですむというように、設計・工事工数の削減を図ることを通じて、人材節約と生産準備リードタイムの短縮の実現が図られ、日本的生産システムの効率的な海外移転の実現につながると考えられる。またその実用性もA社の中国現地法人K社に対する考察によって、部分検証した。
- 中京大学の論文