セバスティアン・ブラントと『阿呆船』
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概要
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拙論は、フランス国アルザスのルネサンス時代において、その当時最も優れた文学作品のひとつである風刺詩集『阿呆船」と、その著者セバスティアン・ブラント(1458-1510)を取り上げる。『阿呆船』は現代フランスの思想史家ミシェル・フーコーがその『狂気の歴史』において、狂気についてのすぐれた文学的例証であると指摘した作品である。ブラントの『阿呆船』は、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』に先駆するヨーロッパ世界で最初のベストセラー作品となり、もっとも読まれる作品となった。ブラントはバーゼル大学法学部に学び、のちに母校の法学部長を長く勤めた後、生まれ故郷のストラスブールに戻って市参事会書記に転進し、ストラスブールの名声を高めるとともにアルザスの人文主義(ユマニスム)を発展させている。拙論はプラントの生涯と当時のストラスブールの文化状況(活版印刷術の発明など)についても考察する。
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