江戸時代日本画に使用された材料の分析
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概要
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A Japanese painting drawn in the Edo period has been investigated. Many parts of a coloured layer had flaked off by the degradation and by the interaction between the support material and the pigments. To get basic understanding of the painting, we take an infrared photograph and an ultraviolet rays photograph. We take some fragments of ground layer and coloured layer from the painting and analyze them. The grains are observed through an optical microscope and a scanning electron microscope. The elements in the grains are measured by electron dispersive X-ray spectroscopy. The crystal structure is analyzed by a X-ray diffractometer. The existence of an organic compound is examined with a three-dimensional fluorescence spectrometer. We also take some fragments of paper and support material and analyze them. The fragments are identified by using C-staining liquid and are observed through an optical microscope. The main purpose of this study is to accumulate the data base of the painting materials used in the Edo period. The main detected pigments are minium and cinnabar and red dye in the red, malachite in the green, high-grade gold in the gilt. Calcite is detected in the white and in ground layer. Blue dye such as indigo is considered to be used in the blue. Gampi or mitsumata is detected in the drawing paper and kozo is detected in the lining paper. The result of this study contributes to the conservation and restoration of the painting.
著者
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北田 正弘
東京芸術大学大学院美術研究科
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田中 眞奈子
東京芸術大学大学院美術研究科
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星 恵理子
東京芸術大学大学院美術研究科
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田中 眞奈子
大学院美術研究科文化財保存学保存科学美術工芸材料学
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星 恵理子
文化財保存学保存科学美術工芸材料学
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北田 正弘
文化財保存学保存科学美術工芸材料学
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